「SRE不動産(旧ソニー不動産)」に不動産の売却を依頼しても大丈夫なの?
こうした疑問に答えるため、SRE不動産の評判、手数料値引きの実態、販売力、メリット・デメリット、査定書の出来などを調査しました。
SRE不動産で不動産の売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
SRE不動産の評判
不動産売却の際に、「両手仲介や囲い込みを行わない」と明言している「SRE不動産」ですが、本当に安心して売却を依頼することができるのでしょうか?
まずは、SRE不動産の評判から確認してみましょう。
SRE不動産のホームページでは、お客さまの事例を取り上げていますが、いずれも好意的な内容になっています。
一方で、さまざまな不動産仲介関連サイトでは、好意的な内容だけでなく、営業担当者の質のバラツキを指摘する口コミも散見されました。
また、さまざまな不動産仲介関連サイトでは、利用者の酷評も散見されますが、根拠が不明であり信頼に欠けます。
とはいえ、「営業エリアが狭い」という口コミについては、事実に基づいて判断できます。
営業エリアは2022年4月現在で、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県だけとなっており、決して広いとは言えません。
SRE不動産の査定方法は信頼できる?
結論から言えば、簡易査定(机上査定)ながら査定金額は不動産市況を反映していると考えられ、同時期の同マンション内の売り出し物件の成約金額からしても妥当といえそうです。
不動産の売却や賃貸を考える場合、SRE不動産は仲介依頼先として考えておきたい一社でしょう。
SRE不動産で売却するメリット
実際にSRE不動産で不動産を売却する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
SRE不動産で不動産を売却するメリットは、主に以下の3つがあります。
①「売却エージェント制」なので囲い込みがない
②「AI不動産査定ツール」による精度の高い成約予想価格の提示
③仲介手数料の割引がある
こうしたポイントが口コミなどでも評価されています。
それぞれのメリットについて詳しく見てみましょう。
① 「売却エージェント制」なので囲い込みがない
SRE不動産の営業スタイルは、「売却エージェント制」を取っています。
耳慣れないかもしれませんが、これは売り主の専任代理人として不動産売却を担当するという営業スタイルです。
これがSRE不動産で売却するメリットの一つです。
従来の不動産業者は売り主、買い主の両方から仲介手数料をもらう、いわゆる「両手取り」をしています。
両手取りは、買い主を見つけるまでに時間がかかる可能性があり、売り主にとってはデメリットとなるケースがあります。
また、買い主からの仲介手数料を確保するために、他社が買い主候補者を連れてきても物件を紹介しない「囲い込み」をするあまり、売却機会を狭めてしまうことも少なくありません。
すでに仲介手数料の両手取りは、利益相反とみなされアメリカでは禁止されています。
こうした日本の業界の悪しき商習慣に風穴を開けようと、売り主のメリットを優先するエージェントに徹しているのがSRE不動産なのです。
つまり、売り主の要望を最大限実現するため、広く買い主を探し、売却も早くなると期待できます。
さらに、不動産物件が高く売れれば手数料も増えるため、できる限り高値で売却する努力をしてくれ、売り主の意向にも沿います。
② 「AI不動産査定ツール」による精度の高い成約予想価格の提示
2つ目のメリットは、査定に関しては、独自のAI技術を活用した「AI不動産査定サービス」を提供していることです。
なお、不動産会社の中には、「専任媒介契約」を結びたい一心で査定金額をあえて高く提示してくることもあるので注意が必要です。
査定金額はあくまでの算定金額であって、実際の売買にあたってその金額が保証されているわけではありません。
しかし、不動産売買の市況を反映したSRE不動産の査定の精度が高いとすれば、査定額がほぼ売買金額だと想定できるのは大きなメリットでしょう。
③ 仲介手数料の割引がある
また、家族や友人などによる紹介で売買が成約した場合は10%の仲介手数料割引、SRE不動産の仲介利用者の場合は、紹介者に売買価格に応じた紹介料が進呈される特典などもあります。
不動産売却時の基本的な仲介手数料は、「(売買価格×3%+6万円)+消費税」で計算されます。
売買価格5000万円なら仲介手数料は「156万円+消費税」ですが、SRE不動産の紹介特典を利用すれば、15万6000円が割引されます。
また紹介側は、5000万円未満の物件のケースなら最大5万円、5000万円以上から1億円未満の物件の紹介料は最大10万円、1億円以上の物件なら最大20万円の紹介料が進呈されます。
このほかにも、売却計画とともに賃貸による提案や現金化を急ぐ場合には仲介手数料が不要な買取サービスも実施しています(もちろん、売却のみならず、買い主ニーズの物件探しもエージェント制で対応してくれます)。
また、大手不動産ポータルサイトへの掲載を積極的に行い、早期売却をサポートしてくれる点もメリットといえますね。
SRE不動産で売却するデメリット
では、SRE不動産のデメリットはあるのでしょうか?
SRE不動産の査定エリアは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県のみとなっており、地方の不動産の査定には対応できないという点がデメリットでしょう。
また、「売却エージェント制」のために、担当者による個人的スキルなどにも差がありそうです。
ある不動産仲介関連の調査サイトでは、利用者の声として、対応力の評価が分かれています。
SRE不動産とは
最後に、SRE不動産の会社概要や査定可能な不動産の種類、査定可能エリアについて見てましょう。
会社概要
社名 | SREホールディングス株式会社 |
設立 | 2014年4月14日 |
本社 | 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 14F |
資本金 | 3,584,703千円(2021年3月31日現在) |
売上高(連結) | 73億5500万円(2022年3月期) |
従業員数 |
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営業所 | 青山(本社)南青山、銀座、池袋、吉祥寺、横浜、大阪 |
「SRE不動産」は、2014年に「ソニー不動産」として設立され、不動産事業を主軸に事業展開していました。
その後、「おうちダイレクト」として2015年にソニー不動産とヤフー株式会社の共同事業をスタート。
現在、おうちダイレクトはサービスを終了し、2022年7月から、SREホールディングスが運営する「おうちクラベル」となっています。
それまで「不動産価格推定エンジン」を中心に、AI技術を自社の事業活動に積極的に活用していました。
こうした変遷を経て、2019年にSREホールディングスの不動産事業として新しくスタートしたのが「SRE不動産」です。
査定できる不動産の種類や対応エリア
SRE不動産で査定できる不動産には、マンション、戸建て、2世帯住宅、土地(建物付きを含む)、駐車場、収益用不動産(アパート、マンション、ビル、店舗など)と幅広く対応しています。
しかし、SRE不動産で査定が可能なエリアは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県にとどまっており、今後の査定エリアの拡大が期待されます。
なお、不動産仲介事業者や金融機関に提供している「AI不動産査定ツール(※)」は、47都道府県で対応可能となっています。
※「AI不動産査定ツール」とは、AIが自動で不動産の売買価格を査定し、地図表示や類似物件事例などを加えた査定書を簡単につくることができるクラウドサービスのことを指します。
AI不動産査定ツールの導入によって、人手のかかる査定業務が自動化できるため、1件当たり約180分かかっていた作業時間を最短で10分にまで縮めることを可能にしたといいます。
まとめ
SRE不動産は、独自のAI技術を不動産流通市場に応用した「AI不動産査定」を提案するなど、革新的な取り組みをしています。
また、不動産仲介業として、利益相反リスクがある売り主と買い主からの仲介手数料の両手取りをせず、売り主のエージェント制を導入しています。
さらに、スピーディーな売却を目指すために、大手不動産ポータルサイトなどへの告知を積極的にしている点も好感が持てます。
以前は、1都3県の首都圏中心で強みが発揮されていましたが、現在では全国47都道府県エリアでの対応を強化しており、今後の地方エリアでの実績が信頼度を左右しそうです。